風に乗って金木犀の香りが漂ってきます。これが楽しみで庭に金木犀を植えました。自然の恵みに癒される瞬間です。今年5/20に他界した父の家にも金木犀があり、近づくにつれて香りが強くなります。ブログも止まっていましたが、この香で生前の父の姿を思い出しました。
八十を過ぎても毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起き、同じ時間に、病院に行き、病院に着くと、手すりを握りしめ、一歩ずつハアハアと息切れをしながら3階まで階段を上りきる。一息大きな呼吸をして、やっと自分の部屋の机に座る。帰宅する前に「頑張っているなあ!先に帰るぞ」と言って、転げ落ちそうになりながらも、手すりを頼りに、一歩ずつ降りる。孤独に強く、逆境に強く、忍耐強かった。病院の未来を誰よりも心配し、その発展と繁栄を望んでいた。「迷った時は、俺だったらどう考えるかと考えろよ」と。
今回の病院祭では【遠藤イズムの継承】と称してコーナーが設置されました。創立者を慕う職員の皆様の一言が飾られました。もし、この場所で本人がこれを読んだら、赤面し、照れて、恥ずかしがるだろうなあと思いながら、代わって読ませていただきました。近くには、囲碁のスペースや机と椅子が並べられました。お世話になった東2階病棟の堀内師長が、創立者の一言と絵のコラボでポスターを作って下さったので、それをもとに一冊の本が出来ました。表紙は当院の総師長が描いてくれました。創立者として、職員の皆様に慕われて人生を終えられたので、幸せな人生だったと思います。これも皆様のおかげであり、一人でなせることは何もないので、遠藤利治と出会った全ての方々、皆様へ感謝申し上げます!お世話になりました。そして、ありがとうございました。
厳しく険しい道を選んで生きた父でしたが、人を愛する器は大きかったと今になって分かります。恩返しは、仕事を通じてさせて頂きます。とても難しいことなのですが、人は人のために生きるとき人生を燃焼させることができるのかもしれないと思いました。