『袖振り合うも多生の縁』と古からの伝えどおり この世で出会う人とはすべて 見えぬ糸でつながっている 天が描いたシナリオに沿い あなたと私知り合うの 時に愛して 時に泣いて やがて固い絆へと どんなに細い縁の糸も 物語運んでくる
これは毎朝NHKで放映されている『だんだん』の主題歌です。
竹内まりやが歌い、山下達郎編曲なので、ファンだと誰が作曲したかすぐ分かると思います。二、三回聞いただけですが、歌詞の深さに引き込まれました。地球人口が60億人を超えて100億人に向かって増えている中で、自分の人生に係わって下さる人たちを思ったとき、特に伴侶、子供、親という家庭を構成するメンバーは、長い年月、同じ屋根の下で暮らすわけなので、よほど愛の絆が深いことが推測されます。城山三郎氏の『そうか、もう君はいないのか』を読んだ時に、まさに天が描いたシナリオに沿って、二人が出会い、別れを迎えるまでの深まっていく絆を感じ、遺された城山氏の妻を失う喪失感や、感謝の気持ち、寂しさなどが切々と伝わってきました。愛が、執着になると、嫉妬心によって、相手を束縛し、自分の心の自由を失い、苦しみへと変わっていく怖さを持つのですが、愛が本物であるときは、人を結びつけ、相手を生かし、思いやりが生まれ、調和のエネルギーで満たされるのだと思います。地球の周りを回る月、太陽の周りを回る地球、この引力のバランスが崩れてしまったら、今の美しい地球はないわけで、恒星や惑星同士にも、もしかすると愛という引力が働いていて、私たちが幸せに生活できるように宇宙を護っているのではないかと想像することがあります。本当の愛の力は、人と人とを結ぶ力であると心して、間違った方向の愛を出さないように、気をつけたいと思います。