今回は、日頃はあまり気にしていないけれど、人間が生きていくためにはとても大切な口腔ケアについて、特に認知症の方への口腔ケア、食支援についてのお話をします。 By♡堀内
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
認知症の進行とともに、自ら歯磨きなどが出来なくなると、口の中の衛生管理ができなくなり、自浄作用が減少し口腔内が不潔となります。むし歯や歯周病が進行します。それだけでなく、口腔の廃用症候群のため経口摂取が困難となり、口の中の乾燥がすすみカンジタ症になることもあります。
こうした口腔状況は摂食嚥下障害を引き起こし、誤嚥性肺炎の原因となります。
そこで摂食嚥下障害の予防が必要となります。
東2階では、毎食の口腔ケアとして、歯ブラシ指導や口腔内の観察、嚥下状況の確認などを行っています。それにあわせて毎日、昼食前に作業療法士による「お口のパタカラ体操」を行っています。まず深呼吸から始め、肩や首の体操、頬の筋肉のマッサージ、舌の運動の後『パンダの宝はパパパパパ、パンダの宝はタタタタタ・・・』と大きく口を開け破裂音を出していきます。嚥下機能を高めるとともに、口腔内への唾液の分泌を促します。患者さんも毎日のことですので、とても乗りのいいリハビリとなっています。また、全国のどこかの小学校では、インフルエンザ予防として「あいうえベー」体操があるそうです。「あ」「い」「う」「え」と一音ずつ大きく口を開け発音した後、最後に舌を思い切り口から出し「べー」とします。皆さんもどちらの体操でも良いですので一度試してみてくださいね。