新入職員の皆様、千曲荘病院への就職おめでとうございます。
当院は、今年で52周年を迎える伝統ある精神科の病院です。精神科の数名のパートの医師と面談しましたが、外来治療、急性期、回復期、慢性期の入院治療から、精神障害者の社会参加への一連の取り組みをしている当院はトータルバランスが良いと高く評価し、職員が前向きで働き者が多いことを褒めてくれました。私も院長として光栄に思い、その言葉に恥じないように、更にこの地域の精神保健から治療、福祉活動を総合的に取り組んで行きたいと考えています。
最近新たなグループホームを増設する計画で地域の方と交渉を始めましたが、精神障害の方が事故を起こさないか、保障はどうするのか、と言った質問があり根深い偏見を感じました。私たち自ら地域に溶け込みながら少しでも精神科に対する理解が深まるように努力を続けて行きたいと思います。
さて、当院では創業者、遠藤利冶が培ってきた伝統がいくつかあります。まずは明るい挨拶です。先輩の皆さんも大きな声で新人の皆さんに挨拶をしますから、皆さんも自分から率先して挨拶ができるようになってください。挨拶は人間関係を良くする基本中の基本です。次に時間を厳守することです。時間を守らないとチャンスは目の前を通り過ぎていきます。前理事長は遅刻してきた面接者とは会いませんでしたが、そのくらい、時間を大切にされていました。私たちも人を待たせて人の時間を奪わないように気を付けましょう。会議などは、事前準備をして有意義な時間、価値ある時間としたいものです。そして、第3に創意工夫や無駄を無くすことが当院の伝統となっています。新人の皆さんは、新しい職場で戸惑う事もあるかと思いますが、疑問に思った事や不思議に思ったことは先輩に教えてもらって下さい。それが新しい創意工夫につながることがあると思いますし、新鮮な感覚が無駄な仕事の排除につながるかもしれません。
今年当院で重視しているのは、職員教育です。患者さん、ご家族に優しく接し、専門の知識、技術を身につけて、千曲荘で診てもらって良かった、千曲荘のスタッフに出会えて良かったという喜びの声を多くもらえるような職員に切磋琢磨して成長を続けて行きましょう。自ら学び続ける姿勢を忘れることなく、院内研修会も充実してきているので数多くの職員が参加することを望みます。
少子高齢化社会に入り、日本の人口は減り続け、時代は大きな曲がり角に来ているように思います。医療分野もその波の中にあります。社会の動静に敏感でありながら、その時代にマッチした医療サービスを展開していかないと病院は生き残れないと危機感をもっています。考えて知恵を出しあい、自ら動いて汗をかいていきましょう。
最後に私事で恐縮ですが、本日より長野県精神科病院協会の会長となり、当院は協会事務局を担うことになります。県の代表病院として、モデルになれるように頑張って行きたいと思います。今日の新人を迎える日に職員一同心新たにして、理想の病院に向かって努力していきましょう。