医療法人 友愛会
千曲荘病院
認知症疾患医療センター

診療受付・お問合せはコチラ
☎0268-22-6611

ツバメと幸福の王子

6月は充実した月というより、理想と現実の狭間にあって、密度の濃い時間を生きていたというのが本音のところです。ブログも1回だけのアップで、7月1日を迎えてしまいました。内なる葛藤を抱えながらも、窓の外に目をやり、空から舞い降りた、ツバメたちが、電線に止まり無邪気にお互いの尾羽を突いたり、嘴でおしゃべりをしているかのように遊んでいる姿を眺めていると心に涼風が流れてきます。ツバメたちの屈託のない、自由自在の行動を見ていると、自然界の優しさに触れて、本来の自由自在の自己に戻してくれるような数分間の安らいだ時間(私にとっては、かなり長い時間に感じるのですが)が流れます。ツバメといえば、小学生の時始めて買ってもらったオスカー・ワイルドの『幸福の王子』という本を思い出します。小学生ながら何度も読んで、不思議とその生き方に感動した記憶があります。悲しい話なのですが、悲しい話というより、清々しいというか、美しい生き方が心に残っています。作者は「人の苦しみや悲しみを見捨てることができず、黙っていることができない慈悲の心」を伝えようとしていたのだと思うのですが、現代のように物質的に恵まれ、生きがいを見失い、孤独の中に生きる人たち、「自分のみが生き残れば他の人はどうでもよい」という自己中心的な生き方をし、殺人まで犯してしまう人たちに、このオスカーワイルドの慈悲の光が届けばいいなあと思いました。本当は、誰の心の中にも、他人を思いやる優しさの光が眠っているはずなのですが、それを忘れて、人からもらおうとしてばかりいるので、ぎすぎすとした社会になってきているのではないでしょうか。ただ、この慈悲の心から始まる行動に智慧が含まれていないと、単なる慈悲魔になってしまい、有難迷惑になってしまったり、人を堕落させてしまう怖さももっているので要注意です。それにしても、今ほど、人を思いやる気持ちが、勇気ある行動に転化し、幸福の王子の役割をされる方の出現が期待される時代はないと思いますし、そういう幸福の王子が世の中にいっぱい現われ、ツバメのようにその幸福を運んでくれる人たちも日本中に満ちたなら、美しい世界が展開するのではないかと、夢想していた数分間でした。

ツバメと幸福の王子

< 一覧に戻る >

初めての方へ

診療案内

午前
受付時間   7:30〜11:00
診療時間   8:30〜12:00
午後
受付時間 13:00〜15:00
診療時間 14:00〜16:00

休診日/日曜日・祝日・盆・年末年始

詳しく見る >

面会・お見舞い

午後 13:00〜16:00

お問い合わせ先

お問い合わせはお気軽に!

☎0268-22-6611

〒386-8584 長野県上田市中央東4番61号

初めての方はこちらうつ病治療 rTMS療法