医療法人 友愛会
千曲荘病院
認知症疾患医療センター

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萎縮医療

日本医師会長の唐澤先生著の『医師の主張』の中で、萎縮医療について触れられています。『正当業務行為』という用語の説明がなされていますので、その中から少し抜粋して紹介させて頂きます。――【本来は法律的に罰せられる違法な行為であっても、それが通常の社会で認められる正当な業務の遂行なのであれば違法ではなくなるというものです。これは人を殴ったりけがをさせれば暴行、障害罪で罰せられますが、格闘技選手が試合で相手を殴る場合は、基本的に罪は問われないということです。明確な殺意を持って人を刺した犯人と、患者の命を救おうとして外科手術の結果として、治療の効なく患者が死亡してしまった場合、どうして同じ犯人扱いされるのか――と書かれています】動機が我欲に基づく受け入れであるのならば問題外ですが、医療の質量とも充分とはいえない環境の中で、救急車で運ばれてきて、止むに止まれず、助けたいという動機で患者を病院に受け入れた場合の事故が、刑事事件にまで問われ、逮捕されてしまうことが今後もあるとなると、医師の回避しようとする気持ちを責めることはできないように思います。この問題に限らず、深く勉強されていないマスコミのコメンテーターの極端な発言の影響もあるのかもしれませんが、私たち自身の考え方の中に、医者はみんな○○、教師はみんな●●、政治家はみんな▲▲、経営者は○●という、個人に対するきちんとした評価をすることなく、マスの目でざっくりとくくって評価してしまう考え方があると思うのです。そろそろ、○○だからすべていい人、●●だから、すべて悪い人と、レッテルを貼って人を判断することから脱していく時期が来ていると思います。人間は一人一人が個性を持ち、それぞれの考え方で、責任を伴う自由を与えられ生きています。さまざまな事件が起きた時、遺族の悲しみや苦しみを知り、同じようなことを起こさないためにも、本質を見抜く目が必要で、そのためにもしっかりとした正しい情報を集めること、及びその動機を知ることの必要性を感じます。萎縮医療が起きて、本当に国民は、幸せになるのでしょうか?

萎縮医療

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