2022 開院記念日 挨拶
本日は当院64周年記念日という大変喜ばしい日であります。３年前まで毎年「ささや」で式典、宴会をしてきましが、残念ながら「ささやさん」も宴会停止ということで、コロナ禍ということもあり、今回も残念ながら本会場はこの大会議室でしかも30名弱に出席制限し、ハイブリッド配信での式典となりました。
また、この２週間のコロナ変異株による感染の激増、7波に当院も影響を受けざるを得ませんでした。しかし対策チームを筆頭に皆さん本当に良く対応してくれています。今回初めて、入院患者さんが陽性になったときは大半の感染、クラスター発生を覚悟していましたが、院内感染は１名に留まり、入退院もこの水曜日から再開できそうです。
さて記念日はいつも開院の理念に原点回帰し、この64年間の間に当院のために活躍していただいた先輩、現役の皆さんの貢献に感謝し、また苦労を労うことに力点を置いて式典を行ってきました。本日も現役の皆さんを代表して表彰をさせていただきます。代表者に限らず、安藤副院長、武重医局長をはじめとする医師の皆様をリーダーとしてチーム医療の質が確実に上がっています。お陰様で本日付けで、長野県救急医療の常時対応型に指定されました。新人、転職の方の教育も充実してきており、喜ばしい限りです。
その上を行くため、本日は、当院の理念、基本方針を遂行する上で、特に満足度を指標にした日本一の精神科病院を目指す上で、大切な「ケア」について話をしたいと思います。ケアは看護、介護共通の用語で、必要な方に心身ともに世話をする人間関係の基本的な言葉です。現代の医療では、高度化、細分化され病気の治療、治癒を目指すことが優先されるため、患者さん全体をケアする面が後退していることは確かです。創業者遠藤利治の言葉を借りると良いケアを「患者さんを大切にし、優しく接すること」となります。患者さんを大切にするというは、最近の言葉で言えば「相手の尊厳を大切にする」と言い換えられます。優しく接するというのはどうでしょう？真に優しく接する、良いケアをするには自分の心の状態が大きく関係してきます。現在の自分の人生の幸せ感とも密接に関係してくることでもありますし、自分の心の状態に気づき、イライラしていたりした場合は平静心を取り戻したり、修正困難な場合はより慎重な対応が求められます。ケアを通じて人間として成長が求められ続けます。看護ナーシングとケアはほとんど意味が同じようですが、看護の教科書にはケアには知識、技術、態度が大切でそれぞれプロとして力量を高めることの大切さが記されています。ケアは治癒できない人にもできる対応で、あらゆる障害の方が適応になります。３月に６人の看護師が実技研修をしたユマニチュードはとても優れた人間学であり、ケア技術だと思います。今後はこのユマニチュードの理念、哲学、技術をみんなでしっかり学習し、当院ケアの大事な柱としたいと思います。そしてケアの質において、ケアの満足度において日本１の精神科病院にしていくことを強く願って６４周年記念日の私からのご挨拶といたします。
永年勤続者代表挨拶
本日は開院64周年、おめでとうございます。この度は永年勤続20年の表彰をして頂きまして、誠に感謝申し上げます。
まさかの3日前に、事務長さんから「謝辞の代打」という大役を仰せつかり、時間もない中、今から22年前の入職した頃の事を思い起こしてみました。
私は幼いころから高齢者介護の職に就きたいという思いがありましたが、訳あって、看護の道に進み、なりたくない職業だった准看護師になって、この千曲荘病院に就職しました。看護師にはなりたくない訳ですから、当時の私は、髪は金髪で、15ｃｍの厚底靴を履いており、いわゆるギャルのまんま従事していたことを思い出します。いつも注意されていた当時の師長との夜勤では、いつか後ろからスリッパで叩いてやろうという思いを励みに、毎日頑張っていました。しかし、23歳の時に、大きな病気をした際、救急車を呼んでくれたのも、その師長で、今では命の恩人だったと感謝しています。
私が入職した当時、今では衝撃的かつ伝統的な技術ではありますが、棟内清掃でバケツの水をまき、まいた水を塵取りですくって処理するという、何と昭和でアナログな掃除方法でした。当時の私は、これが病院の掃除の仕方なのだと、一生懸命塵取りで水をすくう技を覚えました。「手首のスナップが肝心だ」と先輩から教わり、日々技術に磨きをかけていました。
患者さんとの思い出は、一年に一回行われていた運動会で、パン食い競争であんパンをゲットしたことです。借り物競争やパン食い競争をする運動会がとても印象に残っており、生涯最後のパン食い競争だったと思います。また、食堂で、内作業として、アイスのスプーンの袋詰めをしました。黙々と作業をしている患者さんに話しかけると、「気が散るから話しかけるな」と怒られ、黙々と2時間袋詰めをしたことも、今では大切な思い出となっています。
いわゆるギャルだった私が真面目になったきっかけは、認知症治療病棟で出逢った人たちのお陰だったと思います。10年表彰のお祝いの使い道を教えてくれた上司のお陰で、500円玉ほどある円形脱毛になりながら、5年前に通信制で看護師を取得しました。また、認知症ケアを一から教わり、今では天職だと思える認知症ケアに携わることができ、進路を決めた24年前の自分に、「歩いてきた道は間違っていなかったよ」と言ってあげたいと思います。
最後になりますが、またいつの日か、病院の人たちと開院記念式典を盛大にお祝いできる日常が一日でも早く戻ることを願い、今日まで育てて頂いた先代を始め、理事長先生、諸先輩方、同輩の仲間、患者さんに感謝を申し上げ、謝辞として代えさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。
東2階病棟 石塚 リエ
≪創意工夫賞≫
本日は64周年記念日おめでとうございます。このようなおめでたい席で、私のような者が賞を頂くことがあるとは思ってもいなかったので、大変恐縮しております。40年以上も栄養課で勤めさせていただき、昨年、全くわからない支援センターに異動となり、何ができるのかとても不安だったのですが、できることから頑張っていこうと、いろいろ考えながら勤めさせていただきました。幸いにも興味ある自然との触れ合い、それから副産物利用のジャムやリース作りなども仕事としてあり、やっと少しはお役に立つことがあるのだナと思うことができて、ほっとしながら勤めさせていただきました。その様な自信の無い私が賞を頂くことはとても考えられないことですが、これから更に新しくなっていく千曲荘病院のスタッフの一員として自信をもって働くことができる様、日々精進してまいりたいと思っております。
本日は誠にありがとうございました。
管理栄養士 大森和恵
≪農業指導賞≫
本日、この場をお借りして御礼を申し上げたいと思います。ソーシャルファーム構想に基づき、高齢者と障害者と共に、農業を通して働く喜びを見つけてまいりました。これからも、身なの意見を聴き、創意工夫のもと、智慧を絞り、手本となるよう、邁進したいと思います。本日はありがとうございました。
支援センター 塩沢均
