今年も様々なことがありました。4月に入職した皆様、途中入職された皆様、そして入職より、ずっと病院を支えてくださっている皆様、本当にありがとうございました。嬉しかったこと、辛かったこと様々な経験を通して、私も多くを学びました。
主だったことを振り返ってみます。1/31に院内保育所「ひよこの家」の開所式がありました。小さくてもレベルの高い保育士の先生をお迎えしスタートしました。4/1の対面式には新人の皆さんの緊張したお顔が目に浮かびますが、なかでも小林美雪先生をお迎えしたことにより「物忘れ外来」がスタートできました。上田市の認知症初期支援チームに私と上平先生が選出され、当院では堀内師長を中心にした【認知症ケア支援チーム『結い』】が結成され活動を開始しています。地域の方々からの熱いエールもあり、これから益々貢献してゆくことになるでしょう。5月末にはアルテミスに続く庭園が完成し、生まれ変わった渡り廊下は小さな画廊となりました。庭には木々が植えられ、旧1病棟は跡形もなく消えてしまい寂しい気がいたしましたが、病院がベターな方向へ成長する過程だと思い切り替えました。6月10日には尊敬する西園先生を当院にお迎えし、88歳のご高齢であるにもかかわらず、前向きに精神医療に心血を注いでおられる姿に感銘いたしました。そして荒井室長をプロジェクトリーダーとして病院機能評価受審を終え高い評価を頂いたこと、同時に改善点を共有できたことも大きな実りでした。毎年積み重ねている病院祭も、来場者が二千名を越えているので、少しづつ地域に定着していることを感じています。ハローワークとコラボしている就労支援モデル事業がスタートした日を覚えておりますが、すでに第4期のプログラムを終了し就職される方々も増えてきました。喜ばしいことです。「働く喜び」は「人のお役に立つ喜び」であり、「人の役に立つ喜びは豊かさにつながる」と思っているので、このプログラムが全国的にも広がればいいなあと思っております。渋沢栄一氏が「魚を与えるより、魚の釣り方を与える大切さ」を教えたように、精神障がい者であってもなくても、その人の人生そのものが豊かになってゆく応援をする病院でありたいと思っております。12月には認知症カフェの第一回も新聞に載り大成功でした。新しい課題に挑戦しながら、職員と共に乗り越えてゆくことのできた一年間でした。変化する社会の中にあって、変化することを恐れず進むことの大切さ、同時に変化してはならないもの、守り抜かなければならないものを心の拠り所として、来年も新たな気持ちでスタートしたいと思います。
年末の静かな上田市街地の灯りを眺めていると、様々な家族のぬくもりが光になって発せられているように見えて、高台にある病院から見える景色は格別です。2017年、今年もお世話になりました。よいお年をお迎えください。