一水四見

この言葉は仏教の唯識派の説く考えで、『同じ川を見ても、魚が見ればそれは住処に見え、普通の人には普通の川に見え、地獄の亡者には血の海が流れているように見え、天人が見ると透き通った水晶のように輝いて見える』ということですが、この考え方を知った時、自分の心の状態を知るバロメーターに使えると思いました。悲しい出来事があったり、体調が優れないときは、同じ景色を見ていても、暗く見えたり、沈んでいるように見えます。逆に、いいことがあって好調の時は、自然も動物も、生命力に満ちていて、輝いて見えることがあります。結局は見ている人の心境に応じて見えているわけです。これを応用し、悲観的な思いばかりが浮かぶようなら、意識を上の方向にチューニングするように努力しています。家族に病人が出たり、身内に不幸があると、明るい心でいようと思っても、そう簡単に切り替えることはできないと思いますが、それでも、自分の心の状態をチェックし、希望の灯を失なわないよう気をつけています。「時間は、最後に努力する人の味方になる」と信じ、時の癒しの中を過ごすことがあります。そのように思えるのは、地球を宇宙空間から見た映像があまりにも神秘的で美しかったからです。戦争や飢饉や災害があったとしても、地球は人間や動植物を育み、それらの成長を促す揺籃だと思っているので、「本来の美しい世界に生かされている私たちが、その美しさを発見できないとは、なんともったいないことか」と意識を切り替えています。

一水四見

< 一覧に戻る >