大人が絵本に涙する時:柳田邦男著

11月22日に千曲荘病院50周年記念の講演会講師にお招きすることになっている柳田邦男氏の本を何冊か読み始めています。

この本の中で、魅力的な絵本がたくさん紹介されているのですが、まずは『だいじょうぶだよ、ゾウさん』という本を購入して読もうと思いました。自己流ですが、抜粋します。

幼いネズミと年老いたゾウが仲良く暮らしていたのですが、そろそろ亡くなったゾウのお母さんやお父さんがいるゾウの国に、つり橋を渡って行こうとします。

すると、そのつり橋は壊れていたので、驚きと不安の叫び声を上げます。

ネズミは「直してあげるけれど、戻ってきてね」と言い、ゾウは「一度渡ったら決して戻らないんだ」と言います。

「それなら渡っちゃ嫌だ」とねずみが駄々をこねます。

優しいゾウは向きを変えて、ネズミを背中に乗せて帰り、いつものように生活をします。

けれど、だんだん体は衰え、ネズミが甲斐甲斐しく世話をしても、運んでくるバナナさえ食べられなくなって、命が危うくなってきます。

ネズミは気がつきます。今や心が成長し、悲しくてもゾウのために、つり橋を直しに行きます。
そして、そっとゾウに伝えます。

「こわがらないで。もう頑丈になっているから!」
「怖くなんかないよ。だいじょうぶ、安心して渡れるさ」

とゾウがつり橋をわたり、ゾウの後姿が小さくなっていくのを見て、ネズミはやさしい笑みを浮かべ、そっとつぶやきます。

「そう、すべてうまくいくよ」

情景が目に浮かんで、涙が流れました。医療者の一人として、この絵本の奥深くから、伝わってくる悲しいけれど暖かい、優しい気持ちが切なくなって胸に響いてきました。

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