知る人ぞ知る全盲のピアニスト辻井伸行さんのお母さんの本です。テレビで見て知ってはいたのですが、改めて母の大きな愛情に育まれて伸行さんの才能が開花したのだと思いました。小さな変化に気づく観察力の鋭さは、私たち医療者にとっても必要なのではないかと感じました。愛情あるところに、相手への関心が生まれ、少しの変化も見逃さない気づきの力で、新たな発見(価値ある発見)が生まれることが分かります。『私はある日気づいたのです。ひとたび泣き始めると手に負えない感の強い子供と困り果てていたその原因が、掃除機をかける音、スーパーのレジの音など様々な生活雑音なのだと。その音に耐えられない良質の耳を持っているからに違いないと。そして、時を経て、この子は特別な才能をもっているのだと思うようになりました。』この発見の根底にある愛情の力には感動しました。また『社会に適合させる為にしつけるのではなく、本人のもっている何かをのばす方向で育てていけばいいんだ、そう自分なりに覚悟ができたのです。』『子供が幼いときは、何が好きで何をやりたいか本人にも分かりません。注意深く子供を観察し、子供が興味関心を示したことをすばやく見つけ、後押ししてあげましょう。子供がすぐに飽きてしまうかもしれません。試行錯誤を重ねる事が大事なのです。そのうち【本物】に必ず出会えます。親ばかになって常に愛情を持って子供を見つめ、ほんの小さな反応や変化を見逃さないこと。そして子供が興味を持ったら、親はすぐサポートしてあげることです。』『親がネガティブな言葉を使わないことは大変重要です。自分でも意識しないうちに、できない、無理、早すぎるなどといった消極的な言葉を使いがち。子供が好んでやっていることを親が否定してしまっては、親が子供の才能の芽を摘んでしまっていることと同じです。』医療者としての行動指針として読んでも、参考になることがたくさん書かれていました。逆境は辛く苦しいものですが、同時に人を成長させ、次の扉を開き、新たなステージに人を運ぶスプリングボードの役割なのかもしれません。それにしても、どんな人間の中にもある、成長していこうとする潜在能力を引き出すことができたら、世界は個性の輝きでもっと美しく、豊かな繁栄する社会を迎えるような気がします。
初めての方へ
診療案内
- 午前
- 受付時間 7:30〜11:00
診療時間 8:30〜12:00 - 午後
- 受付時間 13:00〜15:00
診療時間 14:00〜16:00
休診日/日曜日・祝日・盆・年末年始
詳しく見る >面会・お見舞い
午後 13:00〜16:00
お問い合わせ先
お問い合わせはお気軽に!
〒386-8584 長野県上田市中央東4番61号