自助努力と聞けばサミュエルスマイルズの『自助論』を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか?この本は明治の新しい時代に、福沢諭吉の『学問のすすめ』と並んで青年たちが、こぞって読んだ本です。中村正直によって翻訳され『西国立志編』と題して出版されましたが、当時で100万部売れたといわれるほど、多くの若者の心を奮い立たせた本で、今のように「不況だ、不況だ」といっている時代にはぴったりの本と思います。『外部からの援助は人間を弱くする。自分で自分を助けようとする精神こそ、その人間をいつまでも励まし続ける。人のために良かれと思って援助の手を差し伸べても、相手は返って自立の気持ちを失い、その必要性をも忘れるだろう。保護や抑制も度が過ぎると、役に立たない無力な人間を生み出すのがオチである。』最初のページに出てくる文章ですが、この文章を読み、国家に過度に保護されていた職種は、競争力を失いその職種自体が弱体化していった歴史を思い、また個においては、与えられすぎて努力精進を忘れ、厳しさに耐えられず退転し、自分のみならず家族をも崩壊させてしまったという、悲しい放蕩息子の話(同じ環境におかれていれば、その可能性は誰にもあるでしょうが)を聞くにつれ、現実の厳しさを乗り越えていくためには、試練に耐え抜く決意や努力がどれほど大事な要素なのかと思いました。弱者に対する援助は必要ですが、筋力がつき、バランス感覚をつかみ、一人でも自転車に乗って漕ぐことができるようになったなら、補助輪をはずし、大人が手を離して見送るように、信じて押し出してあげることの方が、本人にとっては幸せなことでしょう。その時はペダルを自力で漕げる小さな勇者になっていることでしょう。自転車で転ばないのは、前進しているからです。ペダルを踏んでいないと、倒れてしまいます。自転車を漕ぎ続ける力が、自助努力の精神そのもので、その力で様々な景色を眺めたり、山を下り谷を越えて、喜びを作り出しているのではないかと思っています。私も若い時に、もっと真剣に読んでいればよかったと思うので、若い方はお正月休みに是非読んでみて下さいね。
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