エンドオブライフ・ケアという言葉を耳にする機会が多くなりました。
エンドオブライフ・ケアとは、「病や老いなどにより、人が人生を終える時期に必要とされるケア」と、言われています。
ケアの特徴は①その人の生活・人生に焦点を当てる。
②ケアは患者・家族・医療スタッフが、死を意識したころから始まる。
③QOLを最期まで最大限に保ち、その人にとってのよい死を迎えられるようにすること。④疾患を特定しない。 (高齢者のエンドオブライフケア・桑田美代子)
対象となる方の病態、年齢によっても支援の内容は変わってきますが、その根本となるところは上
記の4つの項目になります。
また、認知症の方は認知症と告知された時からそのケアが開始されます。自分が人生の最終章にどうされたいか。どうしたら安心した穏やかな気持ちで逝っていただけるかの看護だと思います。
当院では、「三者満足死」に力を入れています。患者様、ご家族、我々スタッフ三者ができるだけ
心残りのないケア、満足できるケアを目指します。言葉で言えても、実践はなかなか難しく、いつも
悩みます。悩み悩み、ご本人の様子を見ながら、ご家族の希望を聞きながら、その思いを叶えてあげ
られるようチームみんなで考えて、その時その時の最善の方法をとれるようにします。また、言葉を
発することや、意思表示のできない人も多く、日頃のふれあいの中で相手の気持ちを汲み取れるよう
にします。基本は、誰のためのケアか。目の前にいるあなたの安心なのか、ケアしている私たちの安
心なのか。何が大切で、何が必要でないのかをしっかり見極めること。決して「私の安心のためのケア」をしてはいけないということです。
人生の最終章を迎えた方が最期まで人間らしく、安心して心静かに過ごすことができるように、
ご家族とともにケアをしながらご家族の気持ちが自然にその時を迎えられるように支援していくの
も大切です。
今後も、病棟スタッフ一同しっかり学び頑張っていきたいと思っています。師長:堀内幸子