窮々病院と苦労長寿

住友生命の創作四字熟語の中に『苦労長寿』(不老長寿)と『窮々病院』(救急病院)という言葉を見て、思わずにっこりしてしまいました。まさに日本人の寿命は男性79歳、女性86歳と世界一です。長生きすることはうれしいことでもあるのですが、肉体機能は衰えていくばかりなので、確かに苦労長寿です。またWHOの総合評価によると健康寿命も男女共に1位で、乳児死亡率も世界一低く、一人当たりの外来受診回数も一位ということで、肉体健康に関しては、堂々一位です。救急病院の忙しさをTVで見たり聴くにつけても、善意ある勤務医の使命感と過酷な勤務状況に支えられていることを知り、早急に何らかの手を打たなければ、医師のうつ状態が4人に1人では済まないのではないかと危惧するものです。「窮々病院」に込められた言葉の重さを感じます。WHOの評価から見る限り、日本の医療は世界に誇れるレベルだという認識は必要です。それは国の指導の下にうまく機能してきたからと思います。しかしながら、高齢者社会が到来し、膨大した予算を穴埋めすべく、医療制度改革が行われ、制度変化に耐えられず崩壊していく可能性が出てきました。自治体病院は医師不足、都会の病院は看護師不足、地域特性はあるのですが、医療システムは崩れ始めているのか、未体験ゾーンに入った怖さを感じるというのが正直な感想です。経営環境は変化するので、当然その変化に対応した政策が採られるのですが、長期的医療政策転換のスケジュールは、優秀な人間によって作られたシナリオにより政策策定者に有利に働くように策定することもできるので、官と民の公平な条件での切磋琢磨をお願いしたいと思います。マイナスを運営費交付金で投入を受けたり、固定資産税がない病院群と恩恵を受けない民の病院での競争原理は、ハンディがありすぎるようにも思うのですがーーー。

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