ベテルの家

べテルの家は北海道の浦河にあります。千歳空港から三時間バスに乗ってやっとたどり着くので、本当に遠いところへ来てしまったと思いました。浦河は襟裳岬に近い太平洋に面した美しいメルヘンな町です。昨年の11月の寒い冬に研修の機会を頂きました。それから感動が今なお続いていてベテルに関する本を読み続けています。まだまだ深く学んでゆきたいのですが、記憶が旬なうちに残しておかないと、薄れてしまって的が外れた話になっては申し訳ないと思い、感謝の気持ちをこめて、紹介させて頂きます。

街全体が福祉の町のようでした。当事者研究やSST、昆布作業などを通して、一番心に残った言葉は【苦労する権利を取り上げないで下さい】でした。私たちでも言える言葉ではありません。グループホームの壁には『病気が治りませんように・・・』という願いも書かれていました。当事者本人が苦しんでいる中にあっても、研究しています。自分の人生を大切に正直に生きている姿には感動がありました。当事者研究では、自分の心の状態を、言葉で表現される力にも驚きました。三度の食事よりコミュニケーションを大切にしていて、人との絆、場の力、これらを使って、一人一起業を目指しているそうです。患者さんだから・・はないと思いました。ベテルの家の中心人物である向谷地さんの精神的タフさはただものではなく、卓越したユーモアのセンスは、場の緊張感を一瞬にしてほぐれてしまうほどの力を持っていました。説明の中で、あの有名な「奇跡のリンゴ」の著者である木村さんをべテルに呼んで講演会をしてもらった話がありました。「雑草の中に植えられたりんごの木の前で、『私は育てない。手助けするだけ』と柔和な表情で語る木村さんの一言は『べてるの家の非援助論・・・助けないという助け方』が、当事者研究に似ていると・・・非援助論の考え方が、この奇跡のリンゴと共通しているというわけです。ベテルには「自分の荷物を自分で持つ」というテーマがあります。本来持っている人間の力を引き出す、これは子育てでも使えますし、部下の育成でも使える観点だと思います。様々な学びをいただいたベテルの研修会は、私の人生においても大きな影響を与えてくれました。更に、カフェぶらぶらで購入した『べてるの家の恋愛大研究』の中で書かれていた『自分との付き合い方、パートナーとの付き合い方の研究』の研究成果は、人間関係を円滑にするエキスのようにも思えたので、ここで紹介させていだきます。

①ミラー効果:鏡のように自分に不満があると相手にも不満を持ったり自分を許せなくなり、自分に完璧を求めていると相手にも完璧を求めてしまう。自分にもOKが出せると相手にもOKだと思えるようになる。

②仮面効果:自分が本当に言いたいことを隠して、上っ面の仮面とつけて話していると、一時的には安心するが、心が通じなくなったり疲れやすくなるのですぐダウンする。仮面を外すと心が触れ合って良くなる。

③積極的諦め効果:相手のことを責めずに放っておくと、お互いの弱さを無理に直したり話さずにすみ、無理に問題点について考えることを一時保留して先送りできるようになる。

自分たちの認知の仕方には癖や特徴があることが分かったので、自分の弱さを受け入れ向き合っていくことで、相手とも向き合えるようになったことに気づいた。早寝早起き・食事に気をつけて身体を活性化したり、自分をコツコツほめることを積み重ね、小さな幸せに気づけるようになり、普段の会話やミーテイングを大事にして人間関係や社会活動に参加していくことなどが大事だと気づきました。何でも自分ひとりでやれると思い込み、仲間に感謝することを忘れると失敗します。p172

どうでしょうか?病気を通じて、これだけのことを発見された当人にエールを送りたくなりました。小さな幸せに気づくことや、自然体に任せるとマイナス思考になりやすい現代人に、大切なことを教えてくださっています。私も小さな幸せを発見し続けられる自分でありたいと願いました。

ベテルの家1
ベテルの家1
ベテルの家2
ベテルの家2
華麗に舞うカレイ
華麗に舞うカレイ
浦賀の穏やかな海
浦賀の穏やかな海

< 一覧に戻る >