6月22日竣工式式典  千曲荘病院理事長挨拶 

本日は、蒸し暑く、ご多忙の中、またご遠方から、そして休日にも関わらず、私ども千曲荘病院南棟竣工式典にご参列頂き、本当にありがとうございます。
慣例により、千曲荘病院での開催としたため限られた方しかお招きできなかったことをお詫び申し上げます。
 まず南棟完成までの簡単な経緯を私からご説明させていただきます。
 振り返りますと「共同建築設計事務所様」におかれましては、平成13年5月の東棟設計コンペ以来のお付き合いですから、まる13年が経ちました。井上社長様とは当初からのお付き合いで本日も遠方よりご列席頂きました事に感謝申し上げます。平成15年2月に落成した東病棟は、総病床の約半分の104床を新築しました。その時に既に今回の南棟の計画はあったのですが、時代がどのように変化するか、分からず、最初に半分を完成させて時代のニーズを見極めてから残りを判断すると、二段階で考えました。東棟完成で急性期病棟、認知症病棟を立ち上げ、有難いことに何とか軌道に乗ることが出来ました結果、1昨年度に南棟建築に向けての決断をした次第です。今回は設計士が変わり、鈴木専務・小島千知室長チームと3年ほど前から職員と共に基本コンセプトについて協議を重ねました。鈴木・小島チームは精神科医療建築に経験豊富で強い信念を持ち、当初より信頼し仕事を任せることができました。1昨年前からは「東棟を基本として、明るく、光に溢れ、シンプルで機能重視」のコンセプトの下、設計内容の詳細について定例会を重ね、当院の各現場フロア担当者とのすり合わせに努めて参りました。
これからの精神科医療にはチーム医療が大切であり、そのツールとして情報の共有に力を発揮する電子カルテの導入も昨年度決めました。精神科病院に特化したベータ―ソフトの「アルファ」は6月2日にやっと稼働したばかりですが、チーム医療の向上に大いに力を発揮してくれそうです。後ほどDVDで当院の前向きな取り組みの姿勢が上映されると思います。本日は「ベータ―ソフト」の創立者・社長の森下代表も福岡よりかけつけてくれましたことを感謝致します。
また平成24年度から近代化整備事業の補助金等では部長様をはじめ行政の各医療福祉関係者の皆様にお手数をお掛けしました。いつも丁寧な対応をして頂きありがとうございました。ベッド利用率が比較的高い当院としては、開設以来のベッドの削減については悩んだ末の選択でしたが、この5月より11床減、239床で診療しています。
建築は、1昨年末のコンペを経て北野建設様にお願いすることになりました。北野美術館等、芸術活動でも異彩を放っており、また冬のオリンピックで大活躍した選手を擁する会社であることはご存じの通りです。私たちの意中の建築会社の一つであり、当初より期待は大きかったわけです。昨年2月から始まった工事は、人手不足の中、暑い夏に熱中症の方が出たり、大変だったと思います。
町田工事所長の指揮の下、吉葉、中畑次長の協力体制は見事でした。特に2月という追い込みの大切な時期に襲った想定外のあの大雪も乗り切り、何とか4月落成にこぎ着けました。関係業者として協力頂いた、浅間設備様、トーエネック様、宮原酸素様ありがとうございました。大雪の際してはご列席の皆様にもご心配して頂いた事を改めて感謝申し上げます。4月20日に行われた内覧会には520名以上の方が来られ、「明るくてすばらしい、精神科病院らしからぬ、ホテルみたい、内科で入院できませんか」等のご評価を頂いています。種々の悪条件もあったと思いますが、見事な建物に仕上げて頂き感謝の念に堪えません。先日は、本日出席できないとの事で社長の北野貴裕様が病院を表敬訪問して頂き、縷々近しく交流して頂きました。事業には「信頼」の積み重ねが大切という点で共通の理念を感じました。

更に5月に使用開始後は患者さんから、お祝い、喜びの声を頂き、嬉しい限りです。他の精神科病院で全面新築したが、長期入院者に住み慣れたところが良かったと言われ、がっかりしたという病院理事長の話を聞いた事がありました。私も心配で何人かの長期療養の患者さんに聞いてみましたが、生活空間が広くなりおおむね好評でほっとしています。
今回建築した南棟の特徴は病院ではまだ珍しい「外断熱工法」を取り入れた事です。地熱を生かしたクール、ワームチューブが使われ、今の所、病院内は比較的涼しさを保てています。エコでありながら冬暖かく、夏涼しい病院になることを期待しています。
前回の東棟の新築の時は、患者満足度が高く、アメニティーを上げることの重要性を再認識しました。これほど建物の構造が入院治療に影響を与えるのかと驚きをもったものですが、今回の南棟の建築構造は東棟を進化させた形となりました。喜びも大きいのですが、どんなに建物が良くても、そこで働く私たちが力不足では患者さん、ご家族、地域の方々に貢献できません。これからの目標は人材育成であり、人間力、チーム力の進歩を続け、診療サービスの向上に努めたいと思います。

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今回の建築の完成に合わせて、法人の理念も一部変更し、基本理念である「愛」「信頼」「奉仕」に加えて、「希望」を付け加えました。ともすれば悲観的になりがちな超高齢化社会を迎える地域に、灯りをともす役割を演じ、精神科医療の理想を目指す当法人の基本方針達成に寄与してくれるものと信じています。
当法人はこの地域でこころの専門医療機関としての役割を果たし続けるとともに、高齢者の心身の健康、生きがいに貢献します。また家族、地域社会の支える力が低下している昨今にあって、病院から地域の絆を再構築できる基地的存在を目指して今後も職員一同努力していく所存であります。
今日の良き日に大切な皆様にご臨席を賜り、竣工式を行える事に改めて感謝申し上げます。本日は本当にありがとうございます。

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