皆様の健康のために
Healthcare

✿ 看取りの看護 ✿

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エンゼルケア%e7%9c%8b%e5%8f%96%e3%82%8a%e3%81%ae%e3%82%b1%e3%82%a2

看取りの看護の中に“エンゼルケア”と言う言葉があります。

エンゼルケアとは「生から死への移行に立ち会う専門職という立場で、患者さんの死の前後から患者さんやご家族に対して出来うる限りの援助の在り方。そして、そのかかわりによって、そこに立ち会う患者さん、ご家族はもちろんのこと、ケアに携わる看護師自身にとっても意味をもたらす行為」

簡単に言えば、身支度を含めて、亡くなられた患者さんを「○○さん」その人らしく整えてお帰り頂くための支援です。亡くなられる前より「○○さん」のための援助を始めます。身支度は、普段通りを基本とし、一方的に進めないで御家族の希望を伺いながら準備して行います。身体ケアに大切な事は乾燥を防ぐことで、全身の保湿を気に掛ける対応をします。お帰りの着衣は気に入られていた洋服やご家族が希望されるものを用意いただきます。特になければ従来通りの浴衣を用意させてもらいます。

お顏のスキンケアやメイクの大きな目的の一つが乾燥防止となります。男性では髭剃りで皮膚を傷付けることが無いように、電気シェーバーでなく丁字カミソリが理想です。

全身は清拭やシャワー浴をしたあと、保湿クリームなどでマッサージを行ない、清潔と保湿を補います。亡くなられた後の身体変化の特徴についてもご家族に説明させて頂き、不安感を持たれない工夫をします。

こうして自分自身でセルフケアの出来なくなった「○○さん」の代わりに、私たちスタッフが「○○さん」のセルフケアを行い、お見送りさせて頂きます。

自分が亡くなるときには、自宅で家族に見守られて亡くなりたいと思われる方が多い様ですが、少子化超高齢多死社会の現代では、病院での看取りが多くなってきています。少しでもその人らしさを大切にした看取りができる様、今後も研鑽を積んで日々努力したいと思います。                         師長:堀内幸子

 

✿看取りの看護とは

手をあててよく見る。手に入れる

手を使って思いを受け取る。本質に触れる

「ふれあう」ことで、逝く人の思いを受け取り、絆(連帯・関係性)を深めていく

死に至っても、大切な人の存在を確かに感じながら「ありがとう」「おつかれさま」「よくがんばったね」と、語りかける。心に思う、悲しみを表出する・・・それらを通して、そこに立ち会う人々が想いを共有する。(エンゼルメイク・アカデミア 2017)

 

高齢者のワンポイントアドバイス

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近年、高齢運転者数が増加しており、認知症の症状を有すると思われる運転者による高速道路逆走などのニュースを度々耳にします。そこで今回は、認知症患者さんの運転実態や運転中止に関する課題などについてテーマにしました。

☆認知症患者さんの運転行動の特徴

認知症の原因により症状や運転行動の特徴に違いはありますが、主な特徴として①運転中に行先を忘れる②交通ルールの無視③運転中のわき見④注意散漫になる⑤運転操作が遅くなる⑥運転技術にむらがある 等

☆運転中止に関する課題

運転を中止することでご本人やご家族の日常生活に何らかの影響が及ばされると考えられますが、運転を中止することで交通事故を起こすような危険性はなくなり、ご本人とそのご家族や周囲の人々の安全を守ることに確実につながります。ご本人が運転中止を拒む場合、その理由は何かを考え、運転を中止した後にどのような支援が必要となるか見極めることが必要です(自動車が移動手段として必要な場合代わりの手段を見付ける、運転が楽しみである場合は他の楽しみを見付ける 等)

 

家族の話し合いでは解決できない時、どうしても本人が運転中止を拒否しうまくいかない場合には専門の機関(警察署や免許センター、病院、市町村の窓口、地域包括支援センター)に相談する方法が良いと思われます。

作業療法士 土屋和嘉子

参考:「認知症高齢者の自動車運転を考える家族介護者のための支援マニュアル©」

国立長寿医療研究センター 長寿政策科学研究部

http://www.ncgg.go.jp/department/dgp/index-dgp-j.htm

平成29年度 第1回「やすらぎ家族教室」開催のお知らせ

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 第1回やすらぎ家族教室のご案内です。
大勢の方のご参加をお待ちししております。
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日時:7月27日(木)13:30~15:30
内容:①交流会(互いに分かち合う交流の時間を用意しています)
    ②講話『統合失調症の基礎知識』 講師:小林 美雪 先生 (千曲荘病院 医師)
場所:ひとまちげんき・健康プラザうえだ
何かございましたら、地域活動支援センターやすらぎの児玉までお問い合わせください。

高齢者の口腔ケア

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img_2140高齢者は、老化や障害によって口腔機能が低下しやすい傾向があります。口腔機能が低下してしっかり噛んだり飲み込んだりすることが出来なくなると、栄養を十分に摂ることが出来ません。その結果、免疫力や体力が低下し、全身の健康に影響を及ぼします。今回は、高齢者の口腔機能の特徴についてお伝えします。

①治療の後、入れ歯が多い

高齢者は入れ歯を使用している方が多く、様々な治療による詰め物や被せ物が多くみられます

②自浄作用(じじょうさよう)が働かない

お口には本来自分で清潔を保つ力である自浄作用が備わっていますが、高齢者の場合は低下している方が多い特徴があります

③食事が口の中に残る

高齢者の中には、食事をきざみ食にしたりとろみをつけて食べる方もいますが、歯の隙間や口腔内に食べかすが残りやすくなります

④お口が乾燥する

加齢に伴い、唾液の分泌量は減少します。特に、高齢者の口腔内は内服薬の副作用でさらに唾液が少なくなり、口腔内が乾燥してしまい、唾液の重要な役割を果たすことが難しくなります

口腔機能を出来るだけ取り戻せるように口腔ケアを行なう必要があり、東2階病棟では昼食前のお口の体操、食後の歯磨き等の口腔ケアに取り組んでいます。

口腔ケアの効果としては、感染症の予防、口腔機能の維持・回復、味覚の改善、食べる楽しみの回復などが挙げられます。

作業療法士 土屋和嘉子

✿ 高齢者の転倒予防 ✿

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転倒は、加齢に伴う筋力・バランス機能の低下により高齢者に起こりやすいものですが、認知症高齢者はそうでない人に比べて8倍転倒しやすいと報告されています。病気の症状が原因の1つでもありますが、様々な要因が複雑に絡み合って引き起こされます。今回は、その原因と転倒予防について紹介したいと思います。

 


 

①認知症の症状によるもの

記憶障害(歩行の障害があるが歩こうとしてしまう)、見当識障害(時間や場所などわからず歩き回って転倒する)、視空間障害(物の位置がわからずつまずく・ぶつかる)、失認・失行(衣類や履物を正しく着用できないためにバランスを崩して転倒しやすい)、注意力障害(注意深い行動がとれず転倒する)。本人の行動を注意して観察するとともに、危険を予測して対応することで転倒につながる危険な行動を減らすことが出来ます。また、周囲の環境(空間の広さ、ベッドの位置、物を置く場所等)を整えて転倒しやすい環境を作らないということも必要です。

②薬物によるもの

高齢者では若年者に比較して薬物代謝や排泄機能が低下しており、向精神病薬以外でも抗アレルギー薬、降圧剤、抗ヒスタミン薬、糖尿病治療薬、風邪薬なども転倒リスクを高めることがあります。転倒を防ぐ為には飲んでいる薬を本人や介護者がしっかりと把握し、服薬管理を行なうことで適切な量を飲む、本人の様子を注意深く観察して行くということが必要です。

③運動器障害によるもの

高齢者は加齢による筋力低下、バランス機能の低下、反応速度の低下などにより歩行障害が起こりやすくなりますが、認知症の方の場合は①で書いた様な症状も加わり転倒の危険が大きくなります。転倒予防の為には屋内外の歩行訓練をはじめ、バランス訓練、関節を動かす訓練、ストレッチなど運動機能への働きかけが有効です。その他にも、レクリエーションや認知機能面と運動機能面へ同時に働きかけられる活動(絵画、手工芸、音楽、園芸等)なども有効です。

(参考文献:日本認知症ケア学会誌 第15巻第3号)

 

作業療法士 土屋和嘉子

 

半側空間無視

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認知症の高齢者の場合、認知症の症状にあわせてさまざまな障害が現れてきます。
そこで特徴的な障害についてのコミュニケーション技法を紹介します。

―― 半側空間無視 ――

半側空間無視とは、自分の正面を境界にして、右側あるいは左側にある物や人物を無視する状態です。

脳のある部分が損傷すると、どちらか一方の方向に注意が向かなくなってしまいます。(大好きな人がいるのに注意を向けない、その存在を無視するってことでしょうか?)

左側を無視する人が多く、発症してから間もなく治ることも多いのですが、治らない場合は長期にわたって症状が続きます。脳卒中や頭部外傷などで発症する高次脳機能障害の1つです。

特徴

① 自分の左側の人に気が付かない

② 自分の前におかれた文章の左側を読み落とすため意味が分からなくなる

③ 自分の目の前の絵をマネして書いてもらうと、右側だけしか描けない

④ 食事の時に左にある物を食べ残してしまう。

⑤ 自分の症状が自覚できない

対策

① 環境整備・・・安全な空間を作る。左側の障害物は取り除く。大事なものは右側に置く

② 重度の場合は左側を完全無視するため右側からの対応が必要

③ 軽傷の場合はあえて左側からの働き掛けも有効となる場合がある

(参考文献:基礎から学ぶ介護シリーズ 中央法規出版)

こちらが気づかない場合もありますので、普段から良く観察し、「おかしいな?どっちか見えていないのかな?いつも同じ側の食事が残っている?左に物があったらぶつかっている?」など、『何か変!!』と、感じる感性が患者さんへのリスクの軽減につながります。

師長:堀内幸子

高齢者へのワンポイントアドバイス:~食事について~

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「食べる」ということは人間にとって様々な意味がありますが、安全に楽しく食べるということが重要であり、基本的には大きく4つの意味が挙げられます。

  • ① 基本的欲求の充足手段

「生きていくため」の手段として食事は重要です

  • ② コミュニケーションの手段
  • ③ 日常生活の動作を広げる

食事をとる動作が少しでも出来るようになる事で、他の動きも広げる可能性があります人と人との親交を深める目的があります

  • ④ 自己表現の手段ととらえることが出来る

食事の仕方ひとつでもその人らしさが現れます

 

できるだけ長く、安全に、楽しく食事を食べることが出来るように病棟では食事の前にお口の体操を行なったり、その方に合わせた食事を提供出来るよう工夫しています。
病院祭では、病棟の企画として業者の方にご協力頂き、栄養補助食品や介護用品の紹介を行ないました。

作業療法士 土屋和嘉子

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